2013年4月28日日曜日

小さな村の大きな桜

3日もすれば5月になる今日(4月28日)、友人たちと長野県小川村に里山の散策に出かけた。


 友人が「今日あたり最高だよ」というので、標高700mの小川村立屋の江戸時代に番所があったという所の桜を見に行った。
 ここには樹齢300年以上と伝えられる『立屋の桜』と呼ばれるエドヒガンザクラがある。ただ、さすがに高齢のためか樹勢が衰え気味だった。
 それでも、番所役人として赴任した初代から10代目という鈴木夫妻が長寿な『立屋の桜』の実生で育てた台木にベニシダレザクラを接ぎ木したという樹齢約60年の『番所の桜』は写真のように見事に咲いていた。
 
 

 今は山奥の一軒屋のように見えるが、江戸時代には街道の要衝で、大町・糸魚川からの魚介類が運ばれ、信仰の戸隠、善光寺にも通じる街道分岐点として、旅籠や茶屋、鍛冶屋、握酒屋(あげざかや?)、雑貨屋などが軒を並べていたそうだ。
 明治5年に番所制度というものが廃止され、交通網も山の上から、犀川沿いの国道や国鉄篠ノ井線に変化して、昭和28年には最後の店も下に移り、その後は1754年に新築されたという鈴木さん老夫婦の1軒だけになったそうだ。

 
 桜を楽しんだ後は、芽吹き始めた山の中を半日回ってみた。
 今は樹々が多いものの、林の中には 筏遺跡など、縄文時代、平安時代、戸隠神社をそっくりこの地に移したという戦国時代、・・・と人々の営みが生き生きとした場所だったようだ。


 今は3000人を切った小さな村。
 5年前の2008年6月15日には長野市と合併するかどうか住民投票が行われ、有権者の9割近い投票の結果、「自立」の道を選んだ(自立1280票、合併1180票)。
 そして今、2013年、政府は道州制を進めようとしている。
 大きいこと、多いことが良しとされる時代風潮の中、あえて小さいことを選択した村の大きな桜のたもとで、雄大な北アルプスの眺めを楽しみながら、「地域の自立」に思いをはせていた。